今号の内容

 日本コンピュータ外科学会

会長 都築 正和

 新年明けましておめでとうございます.

会員の皆様,それぞれのお立場で精励されておられることと存じます.

 日本コンピュータ外科学会は,昨年(1993年)9月の総会で研究会から発展改称することとなりましたが,その前身は旧く,昭和61年(1986年)秋に準備を始め,昭和62年(1987年)に正式の活動を開始致しました.この年「CAS(Computer Aided Surgery)研究会」がスタートし,医学部,工学部,関連研究所などのメンバーが一堂に集まって「コンピュータ援用外科」に関する共同研究を行い,その成果を臨床に応用する体制が出来上がりました.今から8年前のこととなります.

 その後研究内容も順次高度のものとなり,また研究協力者の範囲も次第に広がってまいりました.その状況から更に門戸を拡大して,「コンピュータ外科研究会」とすることとなり,平成3年9月18日に設立総会を日本学術会議医用生体工学研究連絡委員会フォーラムの際に行ったのでありました.ついで平成4年11月22日の第1回研究会は私が会長役を務めましたが,多数の演題発表を得て成功裡に行うことが出来ました.また,昨平成5年9月23日の第2回研究会も東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科高倉公用教授に会長をお願いして盛大に行われました.この際,本会もその内容と規模が既に学会と呼ぶにふさわしい状況にまで成長しているとの考えが期せずして会員の方々から寄せられ,総会において「日本コンピュータ外科学会」と改称することが決議されました.このように急速に研究内容・規模が発展したことの原動力には多くのものがあると存じます.第一は取り扱う内容が時代の要請と良くマッチしたこと,第二には工学・医学・関連分野の研究者が良い協力体制を作っていることでありますが,これらの関連研究者の方々,特に役員会を形成するメンバーが献身的とも言える努力を傾注してきたことが最も重要な点ではなかったかと思っております.

 本年は,第3回学術集会を迎え,名実共に「日本コンピュータ外科学会大会」を東京慈恵会医科大学放射線科川上憲司助教授に主催していただきます.この記念すべき学術集会をより実り多きものとするべく会員の方々の一層の御協力を心からお願いする次第です.


第3回 日本コンピュータ外科学会学術大会 開催要項

会期:1994年10月15日(土),16日(日)

開催地:東京都港区西新橋3-25-8

主会場:東京慈恵会医科大学高木会館

参加費:3,000円(学生1,000円)

会長:川上憲司

1. トピックス:画像診断支援・手術支援など

2. シンポジウム:外科領域における画像診断技術の進歩

3. 一般演題:コンピュータ技術を応用した外科治療法に関する研究

1) コンピュータ応用による新しい手術手技

2) 手術支援ロボットと周辺機器

3) 複数画像の三次元的合成

4) 再構成画像による術前の診断と術後評価

5) 手術計画と手術シミュレーション

6) 術中における手術支援情報

7) 手術用立体視システムと人工現実感

8) 内視鏡・腹腔鏡・レーザ・超音波・マイクロマシン・磁気などの周辺技術

9) その他

これらの内容に関する演題を多数募集いたします.

応募方法:

1) 演題名,氏名,所属,住所,電話番号,FAX番号,発表要約(800字以内)をA4判1枚と3.5インチフロッピーディスクMS-DOSテキストファイルかマッキントッシュteachtextファイル形式にまとめ,簡易書留にて下記までお送り下さい.

2) 採否の決定はプログラム委員会にお任せ下さい.採用された方には折り返し詳細な論文集原稿要項をお送り致します.

3)発表形式は,口演とビデオを予定しています.

応募先:〒105 東京都港区西新橋3-25-8

東京慈恵医科大学放射線医学教室

第3回 日本コンピュータ外科学会学術大会

会長 川上憲司

Te1:03-3433-1111内線3361,3362,Fax:03-3435-1922

(事務局:寺崎,加藤)

応募締切:1994年7月15日(金)(消印有効)

尚,今回は第4回コンピュータ支援画像診断学会との共催です.


 

会員の方々から多数お間い合わせをいただきました,標記の脳外科用画像誘導手術支援ソフトウェア(Macintosh用)を,開発者の伊関洋先生のご好意により,本学会員の御希望の方のみに頒布することになりました."Hyper-CAS"に関しましては,本学会前身の研究会論文集(第1回研究会論文集P.25,第2回研究会論文集P.51)をご覧下さい.御希望の方は,郵便またはFaxにて学会事務担当までお申込下さい.


第1回 メディカル・ヒューマンケアロボティクス連合研究会

1st Workshop of the Association of Robotics for Medicine and Human Care

開催主旨:

 医療および福祉における手術,介護や自立生活の支援といった人間に直接触れる分野は,工学技術の応用が最も難しく,特にロボット技術やメカトロニクス技術の実用開発は立ち遅れています.現状では関連学会で別個に研究発表が行われていますが,医療・福祉分野におけるロボットは,人間に直接関わるものであり,安全性など従来の産業用ロボットとは全く違ったアプローチで考えていく必要があります.こうした安全性などの意見交換を行う場が必要であるとの認識が,医療ロボットや福祉ロボットの開発を専門に行っている研究者の間で高まって参りました.本研究会は,関連学会からの参加者による連合研究会とし,近年盛んになってきた医療・福祉分野でのロボットの研究開発に関し,各関連学会における本分野の研究者により医療福祉ロボットの在り方,開発方針等について議論を進め,国内における研究を促進させるとともに,我が国の研究成果を国際的に広めて行くことを目的としております.

日時:1994年1月31日(月)15:30〜17:30

場所:東京大学山上会館(東京大学本郷キャンパス)

〒113 東京都文京区本郷7-3-1

プログラム:

1. 15:30〜16:00

特別講演「医療・福祉ロボットヘの期待」

斎藤正男(東京大学医学部医用電子研究施設)

2. 16:00〜17:00

「医療・福祉ロボットの考え方」

土肥健純(東京大学工学部精密機械工学科)

「医療・福祉ロボットの区分と市場参入の条件」

斉藤之男(東京電機大学理工学部産業機械工学科)

3. 17:00〜17:30

自由討論

懇親会:18:00〜20:00

参加費:一般2,000円,学生1,000円,懇親会3,000円

 本連合研究会の運営には,日本コンピュータ外科学会も参加しております.当日参加される方は,なるべく事前に「日本コンピュータ外科学会事務局」まで御連絡下さい.


投稿,お便りの募集

 CAS Newsletter では,皆様からの投稿やお知らせを募集しています.研究紹介や関連学会参加報告など奮ってご応募下さい.

 また,皆様からの企画等もありましたらお知らせ頂けると幸いです.

CAS Newsletter  No.1
          
編集:  日本コンピュータ外科学会 広報部会
 
学会事務局:〒113-8656 東京都文京区本郷 7-3-1	
      東京大学工学部精密機械工学科医用精密工学研究室
      日本コンピュータ外科学会担当
e-mail:jscas@miki.pe.u-tokyo.ac.jp
WWW: http://www.jscas.org/
Tel: 03-5841-7480 
Fax: 03-5841-8556