今号の内容

 前号でもお知らせしましたようにコンピュータ外科学会の国際学会-ISCAS (International Society for Computer Aided Surgery) が新組織に移行し,その会員募集が行われています。11月17日現在で日本国内からの登録者はまだ15名前後と少ないようです。国際学会にも是非加入していただきますよう,学会員皆さまの協力をよろしくお願いします。案内書も再度同封させていただきました。学会および学会誌のホームページも以下のアドレスに開設されています。

 ISCAS web site: http://www.iscas.org

 CAS 学会誌 web site: http://www.igs.wiley.com

 国際学会の入会申し込みは下記の事務局まで送付願います。会費は小切手またはクレジットカードで支払い可能です。小切手の支払い先は事務局とは異なりますので御注意願います。

事務局: Prof. Heinz Lemke, General Secretary ISCAS
 	   Technische Universitat Berlin
	    Inst. f. Technische Informatik
	    Sekr. CG FR 3-3 Franklinstrasse 28-29
	    D-10587 Berlin, GERMANY
	    tel:  +49-30-314-73-100
	    fax: +49-30-314-23-596
 
小切手送付先: ISCAS
	                INSERM U 103
	                395 Avenue des Moulins
	                34080 Montpellier, FRANCE

東京警察病院外科  篠原一彦

 さる10月4,5日,札幌にて第6回日本コンピュータ外科学会大会が開催されました。今回の大会長は,私ども東京警察病院外科の橋本大定部長が勤めさせていただきました。本年もコンピューター支援画像診断学会との共同開催で同学会大会長の札幌医科大学機器診断部 名取 博教授のご厚意で,会場の札幌医大臨床教育研究棟の運用に当たってもCASの方にいろいろとご高配頂きました。名取 博先生に厚く御礼申し上げます。

  学会場となった札幌医大臨床教育研究棟

 両学会の合同企画として,特別講演を2題と合同シンポジュウムを企画しました。

 合同特別講演として,医療福祉機器研究所の岩崎 伸二先生による「医療福祉技術と知的所有権について」,宝陽病院麻酔科の菅井 直介先生による「麻酔科領域におけるコンピューターの応用」をご講演いただきました。岩崎先生には,臨床医にとってまったく縁遠い世界である「特許」の問題をわかりやすくお話頂きました。また菅井先生のお話から麻酔の領域では,一般外科以上に日常の臨床実務にコンピューターが活用され,学会自体もこれを支援している現況が知らされました。

 合同シンポジュウムは「コンピュータ集団検診・早期発見とMinimal Invasive Surgery」のテーマで企画しました。乳癌・肺癌・消化管・肝,胆嚢の4領域について,診断・治療の両面からCAS, CADM双方よりシンポジストを出し,最後に札幌医大脳外科の上出教授から脳外科領域のトピックスもまじえて,シンポジュウムを総括して頂きました。

 またCASのシンポジュウムとして「先端技術を応用した大腸精査・治療」「各科領域におけるAdvanced Engineering Surgery」の二つを企画しました。”大腸”の方は臨床から3題,工学から2題で,現在急増する需要の割に,画期的な技術革新の見通しの無い大腸内視鏡について討議しました。特にVirtual ColonoscopyとHypercolonoscopyの二題は,大腸内視鏡を専門とする小生にとっても大変に興味深いもので,ご研究のさらなるご発展を願うものであります。

 ”各科領域”については,心臓外科・脳外科・聴覚・整形外科・形成外科の5領域のエキスパートに最もお得意とする内容をお話頂きました。ある意味では全く接点の無い演題ですがシンポジストと座長の阿部 弘先生のご協力もあり,会場からも大変好評で,充分に余裕を持ったはずの時間が超過するほどでした。各科・臓器別に別れた臨床医学系の学会では不可能な企画でもあり,大会長の橋本ともども自画自賛している次第です。

 一般演題は,8セッション,計39演題のご応募をいただきました。どのセッションも活発な質疑応答を頂き,座長の先生には時間の調整にご苦労いただいたようですが,座長の先生および会場係として大変なご協力をいただいた東京大学土肥研究室の皆様のおかげで,つつがなく二日間の日程を終えることができました。大変に感謝しております。

 合同懇親会は第一日目の夜,札幌ビール園にて開かれました。会場や送迎バスの手配等これも札幌医大の名取先生のご高配によるものですが,呑み放題・食べ放題の会場で大変に楽しい時間を過ごさせて頂きました。

 皆様のおかげで大変盛会のうちに第6回大会を終わることができました。本大会の企画や事務を担当させていただいたことは,小生自身大変に楽しいものでありました。しかし外科臨床の合間を縫っての仕事でもあり,会員の方々や東大土肥研の方々,ご支援頂いた企業の皆様にはいろいろとご迷惑をおかけしたかと存じます。お詫びと厚く御礼を申し上げます。次回第7回大会は,東京大学 土肥 健純先生のご主催と伺っております。今回以上のご盛会をお祈りしつつ印象記を終わらせて頂きます。

橋本大会長挨拶              合同懇親会にて                      土肥次期大会長                        橋本大会長    名取CADM大会長

 


第6回日本コンピュータ外科学会総会が大会期間中の平成9年10月4日12:45〜13:00札幌医科大学講堂で開催されました。平成8年度の事業報告と会計報告が行われ,平成9年度の事業計画と予算案が提示され,いずれも異議なく了承されました。

 平成8年度の新規入会者は正会員356名,学生会員93名,維持会員1社で会員数の総計は正会員531名,学生会員101名,維持会員9社となりました。 平成8年8月には特許庁の指定学術団体として登録されました。この登録により学会発表による新規性喪失に関して学会発表後6カ月以内であれば例外適用を申し立てることが可能となりました。また平成8年9月に日本学術会議の学術研究団体として登録されました。

 また当学会の英文論文誌が国際学会であるInternational Society of Computer Aided Surgeryに移行したため,平成9年度には新しく英文抄録付き邦文誌を発行する予定です。


日本コンピュータ外科学会    会長 高倉公朋

 これまで日本コンピュータ外科学会の学会誌として刊行されておりました "Journal of Computer Aided Surgery" は,新たに発足した "International Society of Computer Aided Surgery" (ISCAS) のofficial journal へと発展しました.実質的な出版作業は John Wiley&Sons Inc.へ移行され,順調に出版が続けられております。

 さてこのたび日本コンピュータ外科学会ではこれを機会に,本学会の official journal を創刊する運びとなりました。当面は年1号ないし2号の発刊を予定し,掲載論文は英文抄録付きの和文,または英文での投稿を受け付ける予定であります。また原著論文のみでなく総論,特集,短報も併せて掲載し,日本におけるコンピュータ外科学に関する幅広く,かつ内容の深い学会誌としたいと考えております。学会誌内容に関しましても年間の発行数に関しましても,まずこれからの一年間の発刊の状況を見ながら,学会員の方々のご意見も参考にしつつより良い学会誌作りを積極的に行って行きたいと思っております。会員の方々の積極的な投稿をお待ちしております。

 なお第1号の内容は特集号とし,第6会日本コンピュータ外科学会大会の発表演題の中から座長の先生方により選出された研究を論文として投稿していただき掲載する予定です。

 本学会誌の有意義な発展のためにも会員の方々の大きなご助力と活発な論文投稿をお願い致します。詳細は学会事務局までお問い合わせ下さい。


 来年度のISCAS98(コンピュータ外科国際大会)も今年度と同様,CAR '98 (Computer Assisted Radiology and Surgery) との共催で開催されます。今回は東京国際フォーラムにて開催されます。また論文応募の締め切りが1998年1月5日と迫っておりますのでご注意願います。以下にその要項を示します。

 会 期:1998年6月24日(水)〜27日(土)
 会 場:東京国際フォーラム
     東京都千代田区丸の内3丁目
 国内事務局:
     〒102 東京都千代田区麹町5-3
     第7秋山ビルディング (株)コングレ内
     Tel.: 03-3263-4031 
     Fax.: 03-3263-4032 
     e-mail: car@congre.co.jp 

 一般講演とポスターセッションおよびテュートリアル,デモンストレーションなどが予定されています。CASの分野の一般講演とポスターセッションに関しては以下のTopicsが取り上げられています。

また以下のTopicsに関する特別セッションも予定されています。

 論文応募をする場合は指定のAbstract Formに300-1000 wordsのSummaryを英文で記入し,以下の応募先に指定の期日(1998年1月5日)までに送付して下さい。3名のプログラム委員により査読され,1998年1月31日までに採否が通知される予定です。採用された場合は発表者として登録料の割引きが適用されます。なお予稿集用の最終原稿の提出日は1998年3月15日です。

 応募締切日:1998年1月5日(必着)

 応募先:c/o Prof. Heinz U. Lemke 
                   Technische Universitat Berlin 
                   Inst. f. Technische lnformatik 
                   Sekr. Computer Graphics, FR 3-3 
                   Franklinstrasse 28/29 
                   D-10587 Berlin - Germany 
                   Tel.: +49 30 314-73100 
                   Fax.: +49 30 314-23596 
                   e-mail: hul@cs.tu-berlin.de 
                   WWW: http://car.cs.tu-berlin.de/

学会参加費は以下の通りです。(DMはドイツマルク・1DM=約67円)

      April 25,1997 以前  以降
 参加費         DM 580 DM 680
 発表者         DM 450
 3人以上のグループ登録 DM 480 DM 580
   (一人当たり)
 1日参加        DM 340 DM 390
 学生(予稿集無し)   DM 150 DM 170
 展示会のみの参加    DM  70  DM  90
 
 登録申込み先:CAR'98 Conference Office 
                                Attn.: Mrs. Franziska Schweikert
                                Inst. f. Technische lnformatik 
                                Im Gut 11 
                                D79790 Kussaberg - Germany 
                                Tel.: +49 7742-91410 
                                Fax.: +49 7742-4391 

1998年4月20日までに以下に申込むとJTBにて宿泊の手配が可能です。

 宿泊申込み先:日本交通公社
        国際旅行事業部「CAR'98」係
        〒135 東京都江東区木場5-5-2
        Tel.: 03-5620-9429 
        Fax.: 03-5620-9499 

投稿,お便りの募集

 CAS Newsletter では,皆様からの投稿やお知らせを募集しています。研究紹介や関連学会参加報告などの奮ってご応募下さい。

 また,皆様からの企画等もありましたらお知らせ頂けると幸いです。

CAS Newsletter  No.10
 
編集:  日本コンピュータ外科学会 広報部会
                   (能開大 花房,垣本)
 
学会事務局: 〒113 東京都文京区本郷 7-3-1	
       東京大学工学部精密工学科
       医用精密工学研究室
  日本コンピュータ外科学会担当 鈴木 真
  e-mail:jscas@miki.pe.u-tokyo.ac.jp
  Tel: 03-3812-2111 内線 7480 
  Fax: 03-3812-8849