No.011 MRIを用いた肝血管系のボクセル表現による再構成 Voxel Reconstruction of Hepatic Vasculature from MR Images 増谷佳孝、山内康司、鈴木真、太田裕治、土肥健純、都築正和*、橋本大定** 東京大学工学部精密機械工学科、*東京大学、**東京警察病院 〒113東京都文京区本郷7-3-1 電話: 03-3812-2111 ex 7483   FAX: 03-3812-8849


【背景】
臨床の場におけるMRIを用いた3次元血管像取得はMRAも含め、ほとんど頭部に限られてきた。その理由は、血管系が複雑な構造を持ち、それらの詳細な情報を得るには、スライス厚、間隔を細かくしなければならず、従って多くの撮像時間を要するためである。現在一般的に用いられているスライス厚、間隔ともに10mm程度の腹部MRI像でボクセル再構成を行なうと、非等方な細長いボクセルによる表現となり、得られた再構成画像からは本来の血管形状を推測しにくい。また、血管像の抽出もスライス枚数が増すに従い、その作業量が増し、困難となる。
【方法】
本研究では、臨床の場において一般的に用いられている、スライス厚、間隔ともに10mmの腹部MRI像から、3次元画像処理の技法(Three Dimennsional Rule-Based Region Growing Method)を用いて、ほぼ自動的に肝血管系の血管像を抽出し、画像の濃度値を用いて非等方ボクセルを等方ボクセルに分解し、それらを再配置する(Partial Volume Allocation Method)ことにより、自然な血管形状を提示しようとする試みを行なった。
【実験】
実験として、スチロール樹脂製棒状ファントムのMRI像を用い、3次元再構成を行なった。また臨床画像についても肝血管系の再構成を行ない、血管像抽出法並びに再構成法の評価を行なった。