No.015 CT藪RI画像での病巣部位の簡易データベース化の試み。 徳島大学医学部脳神経外科             七條文雄、松本圭蔵 〒770 徳島市蔵本町2-50-1 Tel: 0886-31-3111  Fax: 0886-32-9464

【目的】
失語症、失行症、さらには新たな症候群を大脳機能局在から検討する際には、しばしば病巣部の重ね合わせ表示により、その共通病巣を求めることでその責任病巣が推定されることがある。われわれは、パーソナルコンピュータと市販のソフトウェアを用いて、CT藪RI画像上の病巣部位を簡易画像データベース化し臨床症状と共に登録できるシステムを作成したのでここに報告する。
【方法】
パーソナルコンピュータとしてMacintosh(漢字Talk 7機種)を使用し、ソフトウェアとしては、画像処理にAldus Persuasion 2.1Jを、データベースソフトとしてファイルメーカーProを使用した。CT藪RI画像は、8スライスの代表的模式図をAldus Persuasion 2.1Jでのマスタースライドに一画面として登録しておきこれを基本画面とした。画像処理画面はこの基本画面をマスタースライドとした通常のスライド画面とし、画面の大きさの設定のために画像処理画面に一致した赤線の枠を設置した。次に、CT藪RIの病巣部位は、この画像処理画面上にマウスを使用して赤線で描画した。画像データベースは、ファイルメーカーProで作成し、各種データとともにピクチャーフィールドを設定して画像情報管理を行った。Aldus Persuasion 2.1JとファイルメーカーPro間の画像情報の伝達は選択・コピー・ペースト機能にて行った。
【結果】
本手技では、1件の画像登録に要する時間は30秒から1分、画像呼び出しに要する時間は20秒から30秒であった。また、1件の画像データ量は10kバイト程度であり、画像データを小容量で管理できた。さらに、画像呼び出し時には病巣部位の重ね合わせ表示も可能であるために、特定の症状の責任病巣の推定にも利用できた。
【結論】
市販のソフトの組み合わせにより、CT藪RIの病床部位と各種臨床データを小容量の画像データベースとして作成・管理することができた。