No.024 IVR-CTイメージングシステム 戸村正俊 南部恭二郎 (株)東芝 那須工場CT技術部 〒324 栃木県大田原市下石上1358番 (株)東芝那須工場 CT技術部 南部恭二郎 Tel.0287-26-6203 Fax.0287-26-6485


[目的]
複数のイメージングモダリティの画像を共通の座標系で観察するために, 定位脳手術装置やマーカーを写し込んで座標系を指定する方法が実用レベルになりつつある. しかし使用時の簡便さから考えれば, 撮影の時点で複数のモダリティの座標系が簡単な位置関係になるに越したことはない. 特に, アンギオとCTが同時に必要とされる局面は多い. 両者の併用は座標系の違いのみならず, 撮影装置間を移送する際にはカテーテルの逸脱などの危険を伴い, また検査時間が長く, 被検者の負担が大きいなどの問題がある. そこでアンギオ装置とX線CT装置を一体化した撮影装置を開発した.
[方法]
本装置はひとつの寝台にCT装置, 透視装置, 直接撮影装置の3系統を組み合せた構成である. 直接撮影装置はステレオX線管を天井吊りとし, 寝台内にフィルムチェンジャーを配置した. 透視装置はステレオX線管が寝台内にあり, 14インチI.I. が天井吊りである. CT撮影時には寝台の天板をCTガントリ内へ送り出す. 天板の前後スライドストローク 1690mm のうち, 透視とCTの共通撮影範囲は約400mmある. 天板位置精度は0.25mm を達成した. またヘリカルCT撮影も可能である.
[結果]
本装置は検査時間の短縮によって血管造影の侵襲性を抑えつつ, 被検者の姿勢を変えることなく透視とCTの撮影を交互に何度でも反復できる. また, 選択的造影によるダイナミックCTを撮影することもできる. ただし現時点ではこれらの画像を統合するソフトウエアがなく, 肝などの血管造影とCTの同時検査に試用している. 今後, より使い易くコンパクトな装置に改良すると共に, 共通化された座標系で画像を統合し, そのメリットが十分に発揮できる分野への適用を考えたい.