No.028 手術支援ツール(HyperCAS)による超音波モニターのための 穿頭部位シミュレーション Simulaton of Ultrasound guided apprpach to deep-seated lesion using Computer aided surgery tool (HyperCAS) 中村 聡、伊関 洋、鎮西清行**、川畠弘子、河村弘庸、谷川達也、 平 孝臣、梅沢義裕、荒井孝司、高倉公朋、小林直紀***、片岡弘之*、 山内康司*、鈴木 真*、太田裕治*、土肥健純* 東京女子医科大学 脳神経センタ−脳神経外科、神経放射線科***、 東京大学工学部 精密機械工学科*、工業技術院機械技術研究所** 東京女子医科大学 脳神経センタ− 脳神経外科 Tel. 03-3353-8111 ext.26217 Fax. 03-5269-7438


【目的】
定位的開頭術における進入路の解剖学的構造は再構成画像で見るよりも、通常のaxial slice に投影した方が術者にとって理解しやすい。今回手術支援ツール(HyperCAS)を用いて脳深部病変の超音波像による検索のために、エコー通過部位をaxial CT の断面像上へ投影する方法で術前のsimulationを行ったので報告する。
【方法】
独自のsubframeを用いて頭部を固定し、位置計測用マーカーと共にCTを撮影する。画像データをMachintoshでデータを取り扱えるようにmediaを変換しMachintosh に転送して画像処理を行う。仮想球の原点(O)に対し、脳表の穿刺点(P)を決定するために通過する目標点(T)を仮の穿刺点(P1)と指定すると、各 CT像上に通過する点がマークで表示される。この脳表を通過するマーク点を穿刺点(P)とする。この点をクリックすると三次元座標と角度(Turn/Tilt/Tip)が表示される。この値を基にレーザーナビゲーターを使い、開頭範囲を決定する。次に、直径を任意に設定できる円筒型の retractor 表示機能を使用し、同様の方法で病変に対し脳表上の任意の進入点から脳内のエコービームの通過範囲を表示させる。原点(O)と目標(T)と脳表の穿刺点(P)の関係を上記の様に指定すると、各axial CT像上で穿刺点(P)から目標(T)に向かい通過する中心点と円筒の形状が表示される。円筒の形状は、目標(T)と穿刺点(P)との関係により種々の楕円形として各 CT 像上に表示される。
【結論】
目標点と脳表の進入点の設定により、脳内を通過するエコービームの範囲が各 axial CT 像上に表示される。このため、 通過経路の解剖学的構造の把握が容易で、超音波誘導定位脳手術で侵襲の少ない経路を選択しやすい。本システムでは、手術室でも画像を呼び出しながら手術を進めることができる。